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エリュシオンでささやいて
第7章 Overture Voice
 

「三芳、裕貴! 上原を頼む!」

「「了解!!」」

 あたしは及び腰になっているというのに、どうしてこのふたりはこんなに好戦的なの!?

 爆弾だの銃だの間近で見せつけられて、どうして?
 それともこれが普通の感覚で、あたしが臆病すぎるの?

 モグモグ、怖いよ……。
 怖いけど、不思議と仲間と居る安心感はあった。

 女帝が、あたしに近づく輩に、華麗なるアッパーを入れて。
 それでも堪えて反撃に出ようとする一見紳士風のおじさまを、後ろから裕貴くんが肉を乗せたままの大皿を叩きつける。

「ちくしょ、肉……っ、肉、肉!! 霜降りの高級松坂牛、一枚でも食べてみたかった!」

 肉っ子らしい裕貴くんの恨めしげな声を聞きながら、女帝が別の男との組み手を苦戦しているから、あたしは傍にあったアク取り用の……アクが半分ほど入った壷を手にすると、その男の顔に豪快に振りまいた。

「ナイス、柚!」

 アクをかぶった男が、汚い顔でよろめいた隙に、女帝渾身のボディブロー。
 がっしりとした体格の男が、口から泡だかアクだかわからないものを垂らして、床に倒れた。

「あ、奈緒さん、横、危ない! ナイフ持ってる、奈緒さん!」

 それはスローモーションのように。
 女帝が振り返り、ナイフが女帝の首元を狙って。

 あたしと裕貴くんが声を上げようとしたその時、着物姿の棗くんが大股で走ってきて、男の横を駆け抜けた。ナイフを持った男の手の肘に、下から腕で掠めたように見えた瞬間、男は全身を硬直させるようにして床に倒れた。
 
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