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エリュシオンでささやいて
第7章 Overture Voice
 

「ひぃぃぃぃっ!!」

 宙に浮いたままの状況も災いし、とにかくパニックになるあたしは、早瀬の左肩に俵担ぎにされて、さらにパニック。

 なに、なんなの!?
 あたしを黒服に投げつけて、その間に逃げようとかいう魂胆!?

「Three」

 唐突に早瀬が言うと、

「Two」

 男声で棗くんが答えた。

「One」

 早瀬が言うと、棗くんとふたりで各々の銃を構えて。

「Zero」

 同時にふたりの銃が、三回火を吹いた。

 あたしは棗くん側に頭があったから早瀬の方はわからなかったけれど、先頭の男の足を狙った棗くんの最初の銃弾は、先頭の黒服を集団の障害物とさせ、後ろに落っこちて。

 そして二発目の銃弾は、体勢を崩しながらも懐から銃を取り出した男の、その銃を弾き飛ばして、それが銃を構えていた男の顔に飛んで邪魔をして。

 三発目の銃弾は、障害物を避けて駆け上がろうとした男の足を狙って。

 ズルズルと、ゴロゴロと。

 男達は縺れるようにして階段の下に転がった。
 
 ……裕貴くんと女帝の声が聞こえた。

「すっげぇ……格好いい……」

「三発であんなにバタバタ。しかも殺してないのに」

 ……早瀬の方も見たかった。
 棗くんも凄いけど、早瀬を見たかった。

「下、行くぞ。上原、後ろが来たら言えよ」

 皆が、棗くんが相手にした男達を足で蹴り飛ばして踏みつけながら駆け下りている間、走らなくても済むあたしは後方を監視!

 そりゃあ任された重大な任務は果たしますとも!
 眼光鋭く、後方はあたしが守る!

 柚センサーにひっかかったのはそれから数秒後。
 
「早瀬、階段の上の方で黒服がこっち覗いてる。銃持ってる!」

 舌打ちした早瀬が身体を捻るようにして、銃を早業で発射。

 パシュ!

 銃が転がった音がして、男の顔はなくなった。

 ……しかしよくも一発で仕留めるものだ。
 王様は、狩りがお好きなのか。

 銃が怖いあたしも、違うことに転化させれば、銃がある日常に慣れ始めることが出来そうだ。

 ……いやいや、慣れてどうするんだと自分にツッコミながら、一階につき、さあ小林さんの車に乗り込もうとしてもランクルはなく。

 小林さんになにかあったとか?
 
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