この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
エリュシオンでささやいて
第7章 Overture Voice
 

「別に今もプライベートで……」

「意味が違うだろ? お前だって俺を入れようとしなかった。前は俺が無理矢理押し入っただけのことは俺だってわかる。でもこれは、お前の意思表示だ。俺の領域に踏み込みたいと」

「……っ」

「お前、俺に線を引いていただろう? だからお前が嫌がると思ったから呼ばなかっただけだ。お前が来たいというのなら……全然構わねぇよ」

 ダークブルーの瞳が細められて。

「俺の領域で抱かれてぇのなら、俺は遠慮しねぇぞ」

「え、遠慮……?」

「当然だろ。嫌がる女抱くのじゃねぇのなら。……それでもいいのか?」

 ずるいよ、そのいい方。

「あなたは、あたしを入れて本当にいいの?」

「当然だろうが。俺、舞い上がりそうなんだけど」

「………」

 拒否されなかったことに安心しながら、嬉しそうに目を細める早瀬を見て、あたしはもしかして、行ってはいけない場所を指定してしまったのではないかと思った。

「……なんで眉間に皺よ」

 早瀬は笑いながら身体を伸ばし、あたしの唇に触れるだけの軽いキスをした。

「ちょっ!!」

「キス、お前に嫌がられたけど、これは俺が頑張ったご褒美に貰っておく。本当は深いのしたいけど」

「……っ、い、嫌がられる、って?」

「嫌なんだろ? するなと言ったのお前だろう。酔った時もしちまったけど、反省して我慢してるんじゃねぇか。……っと、時間だ」

 苦笑しながら早瀬が立ち上がり、離れて行こうとする。

 あたしは慌てて早瀬の腕を掴んで言った。

「別に、嫌じゃない」

「は?」

「だから、あなたとキスするの、嫌じゃないの!」

 ぼっと顔が赤くなる。

「お前……」

 早瀬の手が伸びる。

 可愛くないあたしは、早瀬と同じ空間にいるのが居たたまれなくて、あたしの方が早瀬を置いて走って出て行こうとした。

 だが――。

「言い捨てすんなよ、馬鹿」

 早瀬が後ろから抱きしめてくる。

 ああ、ベリームスクの匂いだ。
 凄く安心して、涙がでそう。
 
/1002ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ