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エリュシオンでささやいて
第7章 Overture Voice
お互いの頭を抱え込むように抱き合って、何度も何度も角度を変えてキスをする。
須王の熱。須王の感触。
須王の力強さ。須王の生の重み。
あたしの大好きなベリーと須王のフェロモンのような魅惑的な男の匂いとが混ざり合い、あたしの身体のすべてが、須王に凌駕される。
胎内で息づく須王が愛おしい。
いつも苦痛だった〝繋がる〟という行為は、こんなにも充足感に満ちるものなのか。
好きだと思う相手と繋がれることは、こんなにも幸せなのか。
こんなに距離をゼロにして、こんなに熱を分け合って……それでもまだ足りないと、もっともっと……相手だけが与えることが出来る幸せが欲しいと、切羽詰まった顔で貪欲にまで唇を奪い合うあたし達は、幸せとは底なしであることを知った。
キスをすれば、またひとつ須王が好きになる。
視線が合って微笑まれれば、身体が蕩けてくる。
やがて須王は、コツンと額と額同士をくっつけると、離した唇から、苦しげに乱れた……だけど色っぽく感じる呼吸を繰り返し、あたしの顔を挑むような濡れた瞳で見つめながら、静かに腰を動かした。
「あ……」
あたしの胎内で苦しいくらいの存在感を示しながら、それでも馴染んでいたものが引き抜かれる感触に、思わず震えるか弱い声を出すあたしは、須王の腕に包まれたまま喉元を晒らすと、須王が喉に吸い付いてくる。
同時に、あたしの蜜壷の内壁に擦りつけるようにして突き刺してくる須王の猛々しい欲の象徴は、彼の快楽を刻みつけられているあたしの身体に、快感の電流を走らせた。
「ああ……っ」
あたしは両足を胸のところで折りたたむようにしながら、手も足も須王をぎゅうと強く抱きしめて、細い声を上げて身体を強張らせた。