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エリュシオンでささやいて
第8章 Staying Voice
 

「え、でも須王が作ってくれたのが美味しくて、好きだから……」

「……好きと言うのは、俺だけにしろ!」

 ……拗ねている。

「え、まさか……あなたの手料理にヤキモチ?」

「………」

「……まさかね。二十六にもなって、そんな大人げのない……」

「悪かったな!」

「……ぷぷ」

「………」

「ぷぷぷ。ぶはははははは!」

「むかつく。もう食うな、飲むな!!」

「駄目駄目、堪能する!」

「そっちばっかり堪能するな」

「そっちばっかりって、堪能するのはこっちでしょう?」

「ああ、くそ……なんかむかつく!」

 どうしても笑いがとまらないあたしのスープを須王が取り上げたため、その先は本気の争奪戦が始まった。

 ……あたしの力が敵うはずもなく。

「あたし、チェリー食べたい!」

「………」

「須王! あなたが作ってくれたんでしょう!?」

「うるせ」

 そして須王は、自分の口の中にチェリーを入れて、あたしにくれない。

「大人げないよ、須……」

 あたしの後頭部に手を宛て、須王があたしの唇を奪う。

 甘酸っぱいチェリーの匂いと、須王の匂い。
 頭がくらくらしていると、須王の舌が彼の口の中にあるチェリーを、あたしの舌に運んできた。

「んぅ……」

 取ろうと舌を伸ばすが、意地悪な彼の舌は器用にチェリーを奪いとり、彼との舌ばかりが絡み合い擦れて、息が上がっていく。

 彼の口の中に戻ったチェリーが、彼の唾液ごと、あたしの口に押し込まれる。須王の唾液は甘美な蜜のような錯覚を起こすあたしは、チェリーを求めているのか、彼の舌を求めているのか、よくわからなくなった。
 
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