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エリュシオンでささやいて
第8章 Staying Voice
 

「は? なんで凹むんだよ、お前! 俺、褒めたのに」

「は? いつ褒めた? というか、気を遣わなくてもいいから。あたしは、こうしたお色気満々の水着は似合わないのわかったし……脱ぐわ」

「なんで脱ぐんだよ! なにお前、見せびらかし自慢? 焦らしプレイ?」

「え?」

 なんだか話がかみ合わず、須王の顔を見て話そうと思ったら、背中に回っている彼の手が強くて彼の顔を見れない。

「今は、こうしていて」

「なんで?」

「ぜってぇ俺の顔、真っ赤で……鼻の下伸ばしてデレデレして、気味悪いブサイクだと思うから」

「………」

「こうやって触ってるのも、違うところがヤバいとは思うけど、とりあえず顔だけでも、元に戻すから。はぁ……」

「………」

「今流行りの水着頼んだら、なんでこういう……お前の線を強調させるものを持ってくるのかな。お前、可愛い系のくせになんでこんなセクシー系を着こなすスキルがあるんだよ。やべぇな。これなら男の目がある海とかに連れて行けねぇじゃねぇか。俺、ひとに自慢するより、独占したいタイプなんだな」

「………」

「ああ、くっそ。ぶつぶつとなんだか俺、耄碌ジジイみたいじゃねぇか。はぁ……色々と静まらねぇ……」
 
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