この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
エリュシオンでささやいて
第8章 Staying Voice
 
 
「柚は間違いなく、天使と会っている。棗、エリュシオンの〝不瞋恚〟を唄っていたらしい、こいつが聞いた天使の歌声は」

「え……」

「そんな天使の拉致に現れたのが黒服だ。柚を残していくわけもねぇし、天使との会話や歌を消すのが、あいつらの役目だろう」

「上原サン……その喋れない天使って、首に赤い首輪つけていた? こう、前にわっかがついていて」
 
 棗くんが声を僅かに震わせて尋ねる。

「あ、そう。赤い首輪をつけていたの。わっかつけて」

 すると棗くんは青ざめた顔をして唇を震わせる。
 須王が天井を振り仰いだ。

「なに、どうしたの?」

 裕貴くんと女帝が、あたしを見る。

「まるで、さっぱり」

 だけど須王と棗くんは、明らかになにかに行き当たっている。
 ……恐らく、組織での嫌な思い出のうちのひとつに。

「あ、あのさ」

 あたしに出来るのは、その空気を払拭してあげることぐらいだ。
 
「黒服達がいるのって、渋谷なんでしょう。渋谷のどこらへん?」

 棗くんは、はっとしたように笑いを作った緋色の唇で弧を描く。

「渋谷の道玄坂の奥ね。天の奏音の本部がある場所は」

「道玄坂って……NHKホールがあるところらへんか。あの近くにあるんだ、あの変な音楽の宗教」

 CMで流れるフレーズを裕貴くんが口ずさむと、皆が失笑する。
 
/1002ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ