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エリュシオンでささやいて
第9章 Loving Voice
「つ、付き合うって話してなかったからっ、だからそうなのかなと思っただけ。ごめんっ」
「別にいいよ。怒ってねぇから。ただ、現実がわかっただけで。お前は考えてもなかったものな、俺の女だということに。俺はただの性処理の男だものな」
「ち、違っ、ねぇ、須王違うのっ」
胸のぷっくりと膨らんだ頂きは、戯れる須王の指で形を変え、反対の須王の手は、秘部をゆっくりと音をたてて触っている。
声を押し殺したいのに手が使えない。
唇を噛みしめても、甘い声は漏れ出てしまう。
ああ、会社のビルでこんなこと。
誰か来ちゃったら、あたしのこんな恥ずかしい姿見られて人が集まってしまったら……と思うと、羞恥に緊張する身体は、浅ましくも敏感になって火照り、いつも以上に感じてしまうんだ。
「すげぇぬるぬる。お前、見られると思うと燃えるの?」
「違っ……ぁああっ」
「いい声。それとも、あいつに触られていると思ったから、感じてるわけ?」
くちゅくちゅとわざと音をたてて花芯を指の腹で擦る須王は、そのまま中指を蜜壷の中に入れ、親指で粒を揺らし始める。
「やっやっ、駄目、須王っ」
抵抗する声は斜め上から須王の唇に塞がれて。
いつ誰が来るかわからないこの空間で、器用であたしをよく知る指で胸を弄られ、M字に開いた足の付け根を音をたてて攻められているだけで気が変になりそうなのに、濃厚なキスは余計に身体を火照らせ疼かせてしまうんだ。
彼の熱さや感触が、彼の声が、聞こえるところと交わえる悦びは、性器を繋げた時のような感覚にも似て、彼が好きだと強く思ってしまうから。
声と音をたてて舌が絡まりあうだけでも蕩けそうな身体は、須王だから反応するのに、須王は唇を離すと昏い目で言う。
「なんであいつにも尻尾を振る? 顔か、肩書きか?」
答えようとするする口は塞がれて、くちゅりと音をたてられて離されて。
「なんで俺だけを見てくれねぇんだ?」
また答えようとすると、くちゅりと口を塞がれる。