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エリュシオンでささやいて
第9章 Loving Voice
 

「あたしは専務なんか浮気したいとも……んんっ、お、思わないんだし、あたしには……はぅぅ、須王が、いる……ひゃぁぁぁあっ、んだしっ!」

 負けるもんか!

「それにね、たとえ付き合えなくても、今の幸せが続けば……駄目、それ駄目ぇぇぇぇ! あ……ゴホン、大体あたし、専務になんか……あっあっあ…、な、舐めたいなんて思わないし!」

 すると、あたしを翻弄していた指がぴたりと思う。

「どこを?」

「え?」

「だから、あいつのどこを舐めたくなくて、俺のどこを舐めてぇの?」

 純粋に可愛く首を傾げてくる。
 ……この男!
 
「教えて?」

「……っ」

「俺とあいつの違いは、お前がどこを舐められるかなんだ?」

「……い」

「い?」

「いやぁぁぁぁ!」

「俺が嫌だって?」

 頬をくっつけながら須王が聞く。

「好き」

「もう一回」

「好き」

 くちゅりと音をたてて唇を奪われる。

「専務はどうでもいい。須王だけが……」

「どこを舐めてぇって?」

「……っ!!」

「なぁ、言えよ?」

 ああ、完全にあたしをからかっている。

「好き!!!」

 あまりに恥ずかしくて、馬鹿のひとつ覚えのように大声で怒鳴ると、須王が声を上げて笑う。

「やべぇ、お前が可愛くて仕方がねぇわ。だけど今のお前の声で、ひとを呼んできたようだぞ?」

 ゆっくりとあたしの蜜壷に指を回しながら聞いてくる。

「……っ、駄目、ねぇ完全な誤解だから、だからこの格好はやめて? ね?」

「柚」

 須王が優しく微笑んだ。

「俺のお願い、聞いてくれると言ったよな?」

「うん」

「だったら続行」

 そう言うと、須王は片手であたしの乳房を揉み込んで蕾を指で捏ねながら、粒を揺らして激しく抜き差しをする。

 フルコースなんて、酷い!

「駄目、ねぇ須王、駄目っ」

「ん?」

「恥ずかしい、ねぇ。駄目、駄目ったら!」

 恥ずかしい音をたてて、須王の腕が視界の中で動く度にあたしは声を上げる。

「だったら目を塞いでてやるから」


 須王が手のひらであたしの目を塞ぎ、視界が真っ暗になった。
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