この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
エリュシオンでささやいて
第9章 Loving Voice
 

「……俺を、お前の恋人にして?」

 そんなこと言われると、あたしの決壊が崩れちゃう。

「誰が聞いても、俺のものだとお前が答えて?」 

 目の裏にチカチカと閃光が飛んでくる。

 
「――俺から離れて、どこへも行くんじゃねぇ」


 ああ――。

 彼の言葉にやられた。
 やられてしまったから――。


「行かない。あたしは須王のもの……いっ、あああ、駄目、こんなところでイッちゃう!」

 涙目で訴えるあたし。全身になにかがざわざわと駆け上ってくる。
 そんなあたしにお構いなしに、須王は言うんだ。

「……それと、ありがとう。まだ完全にはあいつを許せねぇけど、お前の気持ち、嬉しかった」

 だから駄目だって。
 我儘で強引な王様が素直になってしまったら。
 ただの超絶イケメンになってそうやって微笑まれたら、ただの女にしか過ぎないあたしは――。

 ああ、クる!!

「俺の指じゃなく、俺を身近に感じてイって。それだけで、俺はいい」

 ああ――。
 こんなに切羽詰まった声をしているのに、こんないやらしいことをしでかした張本人はストイックを気取って。

 それに比べて、あたしは……彼の優しい声を合図に快感の奔流に流されて、一気に弾け飛んでしまった。……こんな、公共の場で、仕掛けられたあたしひとりが。


「須王、須王、イく、イク、ぁぁ……」


 あたしの叫びは須王の口の中に消えた。

 
 ……彼は果てなかった。ただしばらくぎゅっとあたしに抱きついてきて、

「お前は俺の最初で最後の彼女だけど、永遠じゃねぇ。……いつかお前を縛って、違う呼び方をさせてやるから」

 そう甘く囁いた。

 
/1002ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ