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エリュシオンでささやいて
第9章 Loving Voice
 

 その後、色々と違いについて説明を受けた。
 その結果、あたしが須王に選んだのは、やはり王様のゴールドタイタンルチル。

 あたしは、ゴールドと対になるシルバールチル……人運を豊かにしてくれ女性らしさがアップするらしい。

 裕貴くんは、エネルギッシュと勇気を与えるレッドルチル。
 女帝は恋愛運をアップするらしい、ピンクルチル。
 
 棗くんは、感情を癒やすらしいブルールチルにした。
 小林さんは、音楽を生業にしているのだからインスピレーションが冴えるという、グリーン。

 結構皆のために作られたかのようにぽんぽんと決まったのを、夫人が石と石の間に飾りを入れてくれたりと、提案されたのは嫌味がないシンプルなもので、とても気に入った。

「ねぇ、どうかな。どう思う?」

「いいんじゃね? でもひとつ、リクエストしていい?」

「いいよ、なに?」

「お前とだけに同じ石いれてぇな」

 須王の眼差しが柔らかくなる。

「別にペアリングを買えばいいんだけど、なんだかお前それに凄い入れ込んでるから、まずはこっちで便乗してぇんだ。いい?」

「い、いいけど……」

 お揃いなんてと照れてしまうと、須王は笑ってあたしの頬を指で触る。

「ずっと続く恋愛のお守りのような石、ありますか?」

 すると夫人は複雑そうに笑いながら、言った。

「ではガーネットがよろしいかと。昔から変わらぬ愛と深い絆を意味すると言われています」

 見せられたのは、深紅の石。
 
「別名、柘榴石といいます」
 
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