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エリュシオンでささやいて
第11章 Darkness Voice
ふいと顔を背けてしまうあたしに、ふっと笑った須王が動いて、横を向いたあたしごと、すっぽりとその身体で包んだ。
ふわりと、ベリームスクの甘い匂いが漂い、あたしは目を細めた。
「シカトすんなって」
「………」
「ゆーず?」
須王の大きな手が、あたしの両頬を挟むようにして軽く押してくる。
「ちょ、タコちゅうに……」
「え、ちゅうして欲しいって?」
違うと言う暇もなく、そのままぐいと顔を斜め上に上げられ、須王のしっとりと濡れた唇があたしの唇を甘噛みするようにしてから、ちゅるりと肉厚な舌がねじ込まれる。
誰が見ているかわからない中で、須王の服を引いて止めようとするが、あたしの舌とねっとりと絡み合った時、下腹部がずんと疼いてその奥が熱くなった。
「んん……んぅっ」
ちゅくちゅくと卑猥な音が鳴り響き、あたしから漏れた甘い声が羞恥をさらに煽る。
「んふ……んっ」
だけど気持ちよくてたまらないキスに声が止まらず、甘い声を出すと須王が笑って、わざと彼の甘い声を漏らしてきて、ぞくぞくするほど甘美なユニゾンが響く。
「ぁ……んんっ」
「んっ、は……んっ」
お腹の奥がじんじんして、蕩けそうだ。
須王のキスひとつで、須王の声ひとつで、あたしの身体は興奮して熱く濡れてしまう。ドロドロに溶けてしまいそうなほどに。