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エリュシオンでささやいて
第11章 Darkness Voice
 

「ここで抱いていい?」

「駄目です」

「無性にお前を啼かせてぐずぐずにさせて、涙でぐしゃぐしゃになりながら俺の名前を呼ばせて、思いきり派手にイカせてぇんだけど」

「却下!」

 具体的に物騒なことをいう男だ。

「なぁ、お前の中に挿りてぇんだよ、しばらく抱いてなかったし、俺も限界なんだけど。お前は?」

「ノーコメントで」

 須王はあたしの下腹部に手を置いた。

「ここの奥、俺を呼んでねぇ?」

「……っ、ノーコメント!」

 そう言われてしまうと、意識しちゃうじゃないか。
 ジュクジュクとし始めてしまったじゃないか。
 
「ははは、可愛い」

 須王は後ろから抱きしめるような体勢にして、横からちゅっちゅとまたもやキスの嵐。抱きしめたまま、左右に捻るようにして揺らしてくる。

「こうしてるの、まったく飽きねぇな。愛でれば愛でるほど、お前が好きでたまらなくなる。俺をこうした責任とれよ」

「……っ」

「お前は俺のものだ。この先もずっと、俺だけのものだ――」

 言い聞かせるようなその言葉の響きがどこか切なくて……、きゅんとあたしの心が疼いてしまった。


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