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エリュシオンでささやいて
第11章 Darkness Voice
「誰かに見られたら……」
「いいんだって。お前が俺の特別だって誰が見てもわかるだろう。俺は惚れてねぇ女に、こんなことをするほど酔狂じゃねぇから」
「……っ」
「お前、軽いぞ、もっと食え。俺、お前が肥満になっても構わねぇから、とにかく長生きだけしろよ。俺も、長生きする予定だから」
物騒な状況で、須王と長生き出来たら本当に嬉しいね。
あたしの心臓を打ち振るわせる須王と――。
須王は助手席のドアを開けてシートにあたしを押し込んだ。
「ありがとう」
しかしドアを開けたまま、なにかを考えていた須王が、あたしの座席を後ろにずらしてシートを後ろに倒したと思うと、ドアを閉めてあたしの上に跨がり、覆い被さってきたのだった。
「ちょ……」
抵抗の言葉は須王の唇で奪われる。
深く舌を差し込んでくる須王は、ねっとりと舌を動かしてあたしの舌を搦め取って、舌を引き出しては、じゅっと音を立てて吸う。
やがて須王が抜き出した舌先から、ゆっくりとあたしの口腔内につつと落ちる彼の唾液が、あたしの舌だけではなく口の中に満ちてきて、口端から零れそうになって口を閉じかけると、須王が妖艶な眼差しをあたしに落として言う。
「飲めよ」
導かれるようにあたしの喉が動く。ごくりと須王の唾液を嚥下して喉が潤えば、須王があたしの中に浸透したような気分に細胞が奮える。
「いい子だ」
目を細めて艶然と笑う須王に魅入られながら、彼があたしのコートを広げて、薄手の白いセーターをキャミごと一気に捲り上げると、抱き付くようにして背中のホックを外し、大きな掌であたしの左右の乳房を強く弱く揉んでいく。
あたしの胸が須王の掌で形を変えていく様はとても淫靡で、じゅんと身体の中心が熱く疼いてきて、腰が揺れる。
「ん……こ、こんなところで……」
「周りは契約車用の紙がぶら下がっている。それにここらへんは一帯に車がねぇだろう? この車が見えるのは遥か遠くに見える車だけだ。たとえ車が揺れても、あそこからじゃわからねぇ」
「揺れるって……」
「こういうこと」
須王が強く胸を掴んで突出した胸の先端を、口に含む。
「ああああっ」
須王を求めてやまなかった身体はそれだけで反り返るようにして、びくんと大きく反応してしまい、一緒に須王の身体も揺れた。