この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
エリュシオンでささやいて
第11章 Darkness Voice
 

「なんで笑うんだよ」

「いや、その……あはははは」

 あたしに感情を与えるのはいつだって須王だ。
 あたし本当にこのひとのことが好きだ。
 笑っていながらでも、可愛いとか愛おしいとかの気持ちにしかならない。

「柚……」
 
 信号が止まると、彼は熱の籠もった声を出す。
 それだけであたしの身体は、反応してしまうんだ。

 須王はあたしの顔を両手で挟み、静かに顔を傾けてキスをする。
 ただ唇を押し当てるだけのキスだったが、うっとりとしたような互いの視線を絡ませたまま唇が離れれば、名残惜しくてまた唇が重なる。

 角度を変えて柔らかく押しつけられる須王のキスは優しすぎて、大事にされているということがわかったあたしは、胸の奥が悦びにきゅっとなる。

 暗闇に光る信号機の赤い光を反射させたダークブルーの瞳は、いつまでも欲情の炎を消すことはなく、ずっと瞳の奥に燻らせていながらも、自制心により外に出ることなく、やがて細められた微笑みの影に見えなくなった。

「お前が好きだ」

 暗闇に小さく響く甘い声が切なく震えて、あたしの心も震撼した。

「俺はもう消えねぇから。この先もずっと、お前の傍にいると決めたから」

 まるで自分に言い聞かせるような、譫言みたいに。
 
 ……明日は、皆で病院に行く。
 遥くんとHARUKA、そして天使の関連性は、なにかわかるのか。
 
 妙にざわざわとした心を紛らわすように、静謐な暗闇の中で心までをしっとりと重ね合わせた。

/1002ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ