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エリュシオンでささやいて
第11章 Darkness Voice
「お前……っ」
緩んでしまった唇は、須王の唇に奪われてしまい、慌てて目を開けたら、やけに甘くて優しい瞳が間近にあって、心臓が早くなってしまう。
「こら。変な妄想すんな。俺の理性をいちいち壊しに来るな」
「し、してないし。壊しに行ってないし!」
「嘘つけ。お前の顔、俺を誘ってエロいぞ」
「エロ……違うって!」
「夜、ちゃんと愛してやるから、今は我慢しろ」
「だから違うって!」
「あははは。ほら、続きするから。じっとしてろよ」
「え、なんの続き!?」
「お前が好きな、エロの続きをしてやりてぇけど、まずは化粧」
「あたしエロ好きじゃないって」
「へー、そう? だったら今夜、今まで以上に念入りにしてやらねぇとな。俺とのセックスが好きになる、エロい女になれるよう」
「なっ!!」
須王と話していると、さっき泣いて辛いことも忘れてしまう。
エロを連呼されて怒っていると、最後の仕上げとばかりにリップを塗り終えた須王が、言った。
「終わった。目、開いて」
アイシャドウをつけた瞼を上げると、須王が微笑んでいる。
「キスしてぇくらいにいい女」
「あ、ありがとう」
どんな顔になったんだろう。
恐らくはいつものあたしの化粧とは違うんだろう。
なにせ王様直々の化粧なんだし。
と、思っていると、須王が横から両手であたしの腰に手を回して抱きしめてくる。
「今ここで速攻お前にディープかまして、お前を啼かせて、お前の最奥を貫きてぇけど、猿にならねぇよう抑えている」
王様直球。
だからなんで、そんなものにも反応するんだ、あたしの乙女心!