この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
エリュシオンでささやいて
第11章 Darkness Voice
 

 拒絶反応は亜貴でわかる。
 亜貴も誰かからの臓器を移植して、命を繋いだのだ。

 臓器が誰の身体で生きたいと望むか、亜貴の身体で生きてもいいと思うか……あたしはそんな感覚でいる。
 医学的には免疫がどうの抗体がどうのと説明は受けたけれど、所詮は命と命のぶつかり合いだ。
 そう考えれば、臓器にも命は宿っている。

 ……それはわかるけれども、実際は他人の臓器を身体に入れたり、自分の臓器を誰かに入れたりということを想像すると、ホラーじみて思える。

 ましてや、死なないとか生き返るとか……普通ではない。
 まあ、遥くんが普通ではないのはわかっているけれども!

 だけどたまたま遥くんを見た時が具合悪い時で、そして元気になるのなら、HARUKAであってもおかしくない。
 裕貴くんだって、面会謝絶の時は中に遥くんがいたかどうかは確認していないのだ。

 後は、抜け出す時に人の目につくと思うけれど……。

「棗、遥の部屋が回り込んだ奥だったろう? 遥の部屋の広さから言えば、どうも間取り的に、そこまで大きくなくても空間があってもいいように思えるんだ」

「じゃあもしかして、HARUKAとなった時はそこから抜け出している可能性もあるってことね。OK、裏から入院等の間取図、手に入れる」

 ……しかしふたりにとってみれば、目撃がどうのなどは問題にならないらしい。どうして隠し部屋とかの発想になれるんだろう。
  
「でも、隠し階段とかそういうスペース、あるかなあ」

 あたしは思わずぼやく。

「下に行くには、一人乗りのエレベーターでもあればいい。改装とかした形跡があるのなら、業務用のもないとは言い切れないしね」

 またもや棗くんに一蹴された。

「私達が一度目に見た時は、機械やカーテンしか見えなかった。それが二度目の時にはなかったということは、それが忽然と消えたのではなく、あの部屋に、或いは続き間に、あれらを収容出来るスペースはあるということになる」

 置き場所があるということは、使われることを想定しているとも言える。
 確かに突然消えましたという説明より、どこかに片付けましたの方が現実的だ。四人もいれば、さっさと片付けることは出来るだろう。
 その片付け場所に水道があるのなら、血がついても洗い落とすことも出来る。
 
/1002ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ