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エリュシオンでささやいて
第12章 Blue moon Voice
 

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 あたし達は、瀬田さんという強大な協力者を得て、シンフォニアの中に入る。
 
 いや、もう本当に、シンフォニア社長と話すのは瀬田さんと須王や棗くんだけでいいと思ったのだけれど、放置されている間に、誰が襲ってくるかわからないと脅されれば、あたし達もついていくしかない。

 瀬田さんは裕貴くんを覚えていて、三芳社長を見知っているらしい瀬田さんは、娘である女帝もわかったようだ。

 となれば、瀬田さんにとっては面識がないのは、あたしだけだ。

 以前瀬田さんはあたしの父親の元友達だということを聞いたけれど、その名前を出していいのかわからず、横浜でもあたしはウサ子だったために、須王と女帝の同僚で初めて会ったことにした。

 あの黒服達、襲ってこないけれどどうしているのだろう。

 須王は黒服達を下っ端要員だと言っていた。
 須王のマンションを爆破したのがレベル2だとしたら、レベル1。
 
 顔を見ない今頃、また同じような姿をしたレベル1が、にゅうっと増産されているのだろうか。
 あたしの頭の中は、近未来のSF映画だ。

 既にいる〝天の奏音〟の信者を黒服に似せて修正を加えているのか、同じ顔をした黒服達が、様々な年代で増産されているかわからないけれど、可能性的には前者の方が現実的だ。
 なぜそんなことをするのか、わからないなりにも。

 レベル2がいるということは、レベル3はいるのだろうか。
 なぜ今、仲間にまで攻め立てた敵の攻撃が止まっているのだろう――。
 
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