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エリュシオンでささやいて
第12章 Blue moon Voice
 

「だったらいい。お前、時々ボケボケだから」

「ボケボケって、ちょっとね!」

 小声のやりとりとはいえ喧嘩腰の会話は、しーんと静まりかえっている中で響くらしく、後ろ向きの棗くんからわざとらしい咳払いを食らう。

「ほら、棗くんに怒られた!」

 そう唇を尖らせると、突如須王は顔を傾け、キスの顔をあたしに近づけた。
 
 ひっ、こんなところでなにを!!

 しかし直前で止め、蕩けるような目を意地悪そうに細めて笑うと、どっきりして仰け反るあたしの小指に、一度彼の小指を絡めてから、棗くんの隣に戻ってしまった。

「な、なんなの……あのひと」

 こんな状況で、なぜかご機嫌なのはわかったけれど、時折見せるクールさ返上をどうにかして欲しい。あたし、それを躱す経験値はないんだから。

 もっと凄いことをしているのに、触れられた小指がじんじんと熱を持つ。

 もう、不意打ちはやめてよ。
 須王のことしか考えられなくなるじゃない。

 ……遥くんのことであれこれ不穏なことを考えているのではと、須王が心配したための、意識の塗り替えだとは思いつかないあたしは、裕貴くんがさらに耳まで熟したトマトのように赤面していたことに、気づかなかった。  
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