この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
エリュシオンでささやいて
第12章 Blue moon Voice
  

「いやあ、あの早瀬先生が会いに来てくれるとはね~。そろそろ移籍してもいい頃合いじゃないかい? 何年ふられているのかな、シンフォニアは」

「ははは。申し訳ありせんが、私はエリュシオン一筋ですので」

「やだなあ、色男で音楽の才能があって一途なんて、そこのお嬢様達、惚れちゃわない?」

 突然に話を向けられたが、ひとりは男で、ひとりは須王にふられていて、もうひとりも昔にこっぴどくふられていたのに、また惚れてしまったという、なんとも単純でいて複雑なあたし達。

「そうですね、惚れてしまいますわね」

 そう、余裕で答えたのは、勿論棗くん。
 そして棗くんに促されて、女帝もまた顔を僅かに引き攣らせて言う。

「ええ、本当に惚れてしまいますね」

 女帝はあたしのために恋心を押さえ込んだ。
 それをあたしは、忘れてはいけない。

 そして皆の目があたしに向いた。
 特に須王がにやりと笑って見ている。

 え? あたしもこの茶番に乗じないといけないの?

「あたしも……」

 柚、皆と同じく愛想笑いでさらっと。

「あたしも早瀬さんに……」

 そう思っているのに、顔が火でも吹いているかのように熱い。

「惚れてます……」

 ふしゅう~。

 そんな音をたてて、あたしは赤い顔で俯いた。

 さらっと、さらっと、さらっと!
 そう念仏のように心で唱えていたのに、なぜかあたしの行動は心とは裏腹に、必要以上に真っ赤になって、皆の前で告白してしまった形となる。

 須王のこと、好き……だけど。
 どうして演技が出来ないの、柚!

「おお~、これは三人とも早瀬さんのファンですな? 早瀬さんならどの女性を……」

 いいから、あたしを見ないで欲しい。
 どうすれば顔の熱が引くの?
 
/1002ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ