この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
エリュシオンでささやいて
第12章 Blue moon Voice
  

「え、なになに、今日はなんの日なの?」
  
 裕貴くんが身を乗り出してきた。

「ブルームーン。一ヶ月に二度満月が見える、珍しいものなんだって」

 あたしが答えると、女帝までもが目をきらきらさせた。

「凄い、柚。物知りね」

「須王の受け売りで、あたしも知らなかったんだ、実は」

 笑いながら須王を見ると、裕貴くんが笑った。

「なに、須王さん。柚と一緒にブルームーンを見て、ふたりの永遠の愛でも願おうとしてたの?」

 すると須王はゲホゲホと咽せ込んだ。

「おま……ゲホゲホ!」

「須王さん、意外にロマンチストだよね。柚がそれを願って、須王さんを誘って見るならまだしも、須王さんが柚を誘って見ようとするなんて。やっぱり、尻に敷かれているよね」

「「はああああ!?」」

 あたしと須王が反応したのはほぼ同時だった。

「あたし、この偉そうな王様を尻になんて敷いてないわ!」

「そうだ。少なくとも皆の前では敷かれていないはずなのに、『やっぱり』って何だよ!」

「須王、そこ!? 少なくともってなに!? あたし、いつでも敷いてないよ!?」

 昔から強引に振り回してきたのは、須王の方。
 須王と両想いになっても、彼の攻撃にやられているのはあたしの方。

「ははは、だけど須王さん、どこだろうと柚には頭上がらないじゃないか。横浜でのしょんぼり須王さん、動画に撮っておきたかったよ」

 須王はまた咽せている。

「横浜? あたしがウサ子だった時? 須王、どうかしてたっけ?」

「柚が怒っただろう? そうしたら、須王さん……」

「裕貴っ!! お前なに……ゲホゲホゲホ、ゆ……ゲホゲホゲホゲホ!」

「ほらね、須王さんも肯定しているでしょ? 柚が尻に敷いているって」

「ちょっと、須王! そこで咽せてないでちゃんと否定してよ!」

 と言いつつ、手を伸ばして須王の背中を摩ってあげると、棗くんが大爆笑。その度に車が高速道路で蛇行するものだから、プチスリルを味わう。
 
/1002ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ