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エリュシオンでささやいて
第13章 Moving Voice
「お前のバージン、すべて俺にくれよ?」
「……っ」
ねぇ、どうしてそんなに扇情的な瞳で、甘く囁いてくるの?
「俺、柚のすべてを愛してぇんだ」
どうして、そんな誘惑の声音で。
「お前、まだここの中が空っぽだと思ってる?」
須王があたしのお腹を掌で撫でる。
「ほら」
須王が下半身をもぞりと動いたら、あたしは身体に走る甘美な刺激に、声を上げた。
……挿っていた。
挿れながら、寝ていたの、このひと。
まあ、寝てはいなかったみたいだけれど。
「気持ちいい?」
須王の声が聞こえる耳は、須王の唇と舌でねっとりと攻められて、朝方まで愛された余韻を残す身体は簡単に火がつく。
須王は繋げたままあたしを上に乗せ、熱っぽい目を向けたまま、あたしの唇を貪るようにして官能的なキスをしながら、ゆっくり下から腰を動かしてくる。
須王の動きはト……ント……ンかもしれないけれど、さらに胎内で膨張した質量ある彼の動きは、ズンズンと突き刺さり擦り上げてきて、眠気すら吹き飛ばすほどの快感をあたしの身体に奔らせる。
「やっ、ああ、駄目、すお……っ」
官能の火は冷めるのが難しく、そして火が着いたら燃え広がるのが早くて。
なによりあたしの身体に馴染んだそれが、あたしの気持ちよくてたまらないところばかり攻めては焦らしてくるから、あたしは悶えてよがりながら啼くしかない。