この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
エリュシオンでささやいて
第13章 Moving Voice
 
「なあ裕貴。このことは、お袋さんやばあちゃんに言うな。下手に心配させるのは、心労をかけさせるだけだ」

「うん、そうするよ。でも今日みたいに、病院とか買い物に出歩くのはどうしよう」

「恐らく、ふたりが今無事に帰ってこれるのなら、狙われねぇだろう」

「根拠はなんだよ」

「勘」

 ……王様は、人差し指でコメカミをぽんぽん叩いて言い切った。
 しかしその目は怜悧な光を湛えており、冗談ではないことはすぐわかる。

「今までの流れでは誰かが十悪の犠牲になっている。わざわざ『殺生』を選んで曲を聞かせたということは、俺らが接触した誰かが殺されたという可能性が高いが、死体がないとなれば今までの流れとはなにか違う」

 そうだ。
 今まで十悪に該当するものを犯した(と思われている)牧田チーフ、美保ちゃん達は、既に断罪がなされた後に音楽が流れていた。

 しかも相手から直接招かれたわけではなく、あたし達が偶然にその場所に行き当たった時もあったのだ。

「犠牲者の裕貴の家族であったのなら、こんな面倒なことせずに死体を置いておけばいい。俺らを呼び出す意味がわからねぇよ」

「もしも……呼び出された場所が違ったとしたら?」

 棗くんが怖いことを言う。

「看護師もいたし、病院?」

「まさか、遥がっ!?」

「いや、その可能性はねぇと俺は見る。ほっとけきゃ、そのうちまた、遥に会いに病院に行くのはわかるだろう。わざわざこのタイミングで、呼び寄せる意味はねぇよ」

 須王は目を細めた。

「それにここは見張られていたから、あの看護師は連れ去られた。呼び出されたのはここだ。問題は、なぜここなのか、だ」
/1002ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ