この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
エリュシオンでささやいて
第13章 Moving Voice

「だとしたら選択肢は絞られる。三芳達は出てすぐ拉致されたパターン。犯人は三芳の車で早苗を病院から連れ出し、裕貴の家に置いた後、三芳から奪いとった彼女のスマホで、本人になりすまして柚にLINEをした後、車をショッピングモールに停めて、自分は後で用意していた車かなにかで再び裕貴の家に戻り、ドーベルマンに薬を飲ませた。俺が追いかけた時車が動いたから、もしかしてひとりがあっちこっちとアクティブに動かなくても、複数人の犯行だったのかもしれねぇ」

 須王は眉間に皺を寄せながら続けた。

「もうひとつは……三芳か小林、いや両方が敵に操られていたという可能性。それはAOPかなにかの強制暗示があったと考えれば、スタジオでは普通だったのだから、車に仕掛けられていた可能性が高い。ただAOP自体に指示力はないから、どこかで直接指示出来る誰かと接触しないといけねぇな。それが、裕貴の家で俺が逃した奴かもしれねぇし」

『須王が逃した男は、小林さんだったのかもしれない。実は早苗の顔もギミックで、その下に奈緒の顔があったとしたら、それを隠すために彼女を連れて逃げた……という可能性もあるわね』

「でも奈緒さんが、即興で裕貴くんのお姉さんのふり出来るの?」

「確かにそこがひっかかる。長く接触していないと、仕込むことは出来ねぇだろうし。三芳はド素人なんだから」
 
『どちらにしても、車の動かし方さえわかればある程度絞られてしまう。そう考えたら、随分お粗末よね』
 
「ああ。俺もそう思う。棗の裏がなければ、三芳の車の動きは、三芳達を疑わざるを得ない状況だ。大体第三者の目撃証言が出るような杜撰な真似、組織の関係者がするはずはないだろうし」

 女帝のふりをする必要性はなんだったのか。

「奈緒さんも小林さんは被害者だよ。ふたりにおかしな罪を被せられる前に、早く救出してあげないと!」

 あたしに向けられていたSOS。
 あれは女帝の叫びだと信じて。
/1002ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ