この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
エリュシオンでささやいて
第14章 brighting Voice


 命の尊厳に優劣はない。
 どちらかが死に値するなど、誰一人として断罪する権利はない。

 それでも答えないと、朝霞さんが危ない。
 まだ椅子は燃えていないが、相当熱いはずだ。
 
 匂いが変わってきている。

 どうすればいい。

 考えろ。
 考えるんだよ、柚!
 
 どうして、あたしの頭は動かない。
 どうして、頭の中が真っ白なの!

 ふっと、なにかの名前が浮かぶ。
 だからあたしは、縋るようにしてその名前を叫んだ。


「須王、須王っ」


 それは神に祈る罪人のように。
 

「守って……。2人を守ってぇぇぇぇ!」

 
「……棗!」

 ……なぜか、須王は棗くんの名前を呼ぶと、片手を上げて高く飛び跳ねた。

 須王の不可解な動きに、頭の中一杯にハテナマークが浮かぶ。

 突然指名されて、彼はとち狂ったのだろうか。

 この場での頼りにしていた綱が、今ぶっつりと――。

「須王!」

 須王に呼応したのは、あたしではない。

 須王は、後方から宙高く飛んで来るものを回転させるようにして手にし、そのまま宙から片手でそれを……黒い銃の引き金を、引く。

 バアアアン!

 そして、女帝に向けられていた銃が弾け飛んだのだった。
/1002ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ