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エリュシオンでささやいて
第14章 brighting Voice
*+†+*――*+†+*
「ん……ふ、ぅん……」
あたしの口から甘い声が漏れる。
くちゅりくちゅりと響く水音。
執拗に追いかけられては、絡まる熱いもの。
それは息苦しくなるほどにあたしの中で一杯になって、己の存在を主張しながら、誘うようにしてするっと逃げる。
あたしを置いていかないで。
必死になって追いかけるあたしは――。
「ん……、柚……っ」
呼ばれる名前に薄く目を開くと、涙で滲んだ視界が須王で塞がっていた。
熱い吐息。
少し掠れた情熱的な声。
あたしは――ねっとりと官能的に舌を絡ませ合う、濃厚なディープキスの最中だった。
理性が戻っても、蕩けるようなこの甘さに敵うはずがなくて、底なし沼に引き摺られるように、この蠱惑的で甘美なキスに溺れてしまう。
外されていたシートベルト。
ベリームスクの匂いがする大きな体に包まれながら、ゆっくりとしたリズムを刻んで貪られるキスは、あたしの体の深層に灯った火種を煽っていく。
「ん……ふぅ……あ……っ」
動きに合わせるように体を揺らし、甘美な痺れに喘いでぶるりと震えれば、あたしの後頭部がよしよしと撫でられた。
その仕草はとても優しいのに、獰猛に動きだした須王の舌は、あたしの口の中で暴れ、弱い部分をすべて暴いていく。
「は……ん、ふ、あぁ……っ」
ぞくぞくがとまらない。
自分から出る声が、甘くいやらしいものになって、泣きそうになる。
だが同時に、須王だからこうなっとしまうと思えば、それを隠したい気にはならなかった。
あたしの息が完全にあがってしまうと、須王は唇を離し、彼の首元にくっつけるようにあたしの頭を引き寄せ、その頭にすりと頬擦りをしてきた。
「目、覚めた?」
「……ん」
砂糖菓子よりも甘く感じるその声に、くらくらする。