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エリュシオンでささやいて
第14章 brighting Voice

「んん、んんん……っ」
肌を走るざわざわとしたものは強い輪郭を持ち、突き抜けようと加速する。
匂い立つ、須王のベリームスク。
夢現の中で、果てを知らせる白い閃光がちかちかと点滅する。
「ああ、ああああっ、須王、イく、イっちゃう、須王っ」
「ああ、イけよ、柚。俺を、感じて」
掠れた声の調べ。
それすら甘くあたしの耳を愛撫する。
「ああ、須王、須王っ」
須王の匂いと熱に包まれて、あたしは駆け上がる。
「須王、好き、好きっ」
譫言のように告げながら、須王の背中の服を力一杯握りしめると、熱い須王がさらに質量を増して、蜜口を先端で抉る。
「俺の方が、愛してる」
その言葉で、ぱぁぁぁんと弾け飛ぶ。
「あああああああっ」
同時に、須王の短い声と、熱いものが太股に飛散した。
「は……ぁ、は……っ」
それがどろりと太股から垂れる感触に恍惚としながら、甘美な余韻に浸るあたしは息を整える。
「は……。挿れてねぇのに、締め付けてくるなって」
現実に戻ってみれば、なにか無性に恥ずかしくなって、須王の胸に顔を埋めると、ぽかぽかと須王の体を叩いてしまう。
「これで、終わりじゃねぇぞ?」
しかし須王に顎を持ち上げられ、顔を覗き込まれて。
愛おしいダークブルーの瞳。
月光のような情欲の炎を揺らして、彼は色香を纏って笑う。
「まだまだ愛し足りねぇんだ。ホテルに行こう」
あたしを抱きしめ、キスをしながら。
「夜はこれからだ」
ああ、胸の奥も子宮もきゅうと疼く。
須王という存在が、あたしを魅惑する。
……此の世で一番、貪欲なのは誰なんだろう。
それはきっと――、
須王からの愛をさらに望むあたしだ。

