この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
エリュシオンでささやいて
第15章 Approaching Voice
 
 パソコンはスタジオで使っていたものを持参し、ちゃんと棗くんから貰った、覗き見&ハッキング防止のソフトを走らせている。

 さらには盗聴探索機で、怪しいものはないかチェック。
 
 あたしと女帝は互いに顔を見合わせて、頷き合った。

 演奏に関係なくとも、あたし達にも新HADESの売り出し方についてなど、色々企画を出したり、リストアップさせないといけない。

 第一回目の進捗状況としての資料を、須王は社長に持っていった。
 それでOKが出れば、さらに絞って具体的な形で進めていくことになる。

 ただ不安もある。
 あたしが今までしていたのは、歌手などを育ててフォローする仕事で、女帝は気遣いや鋭い指摘は出来るが、基本裏方で受け身の仕事が多かった。
 そして須王は、依頼されて音楽を作ったり、演出を考えたりしてはいたが、実際の細やかなスケジュール調整などアシスタント的な動きはしていない。

 王様だからね!

 つまり、営業のお仕事を誰も経験していないのだ。

 それについて須王は、コネで押し切ろうとしているけれど、HADESプロジェクトに対抗してきた朝霞さんのように、須王の反対派がいたら。

 その裏にいる音楽業界の人達の圧力によって、どんなに須王に恩義を感じているひとですら、強い者に飲まれてしまうんじゃないかなと思うんだ。

 それはあたしだけの不安で、須王は笑い飛ばすし、女帝も考えすぎだと笑うけれど。

 それでもあたしに関わった人達が、あの無残な姿をさらした現場を何度も見ていたら、やはりそう思わずにはいられなくて。

 どこから洩れるかわからない情報に備え、あたしなりにこれが駄目ならこっちへという、色々なパターンを考えている。

「柚、早瀬さん戻ってきた」

 女帝の声で顔を向ければ、須王が会議室に行くように顎で促している。
 
 女帝と共に、パソコンを持って会議室へ向かった。
/1002ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ