この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
エリュシオンでささやいて
第15章 Approaching Voice

 
 車は裕貴くんのお迎えに向かっている。

 裕貴くん、都心にある名門私立高校に通っているんだよね。
 イケメンだし、ギター上手いし、しかもなにげにお坊ちゃま。

 これは絶対モテてそう。
 ……だけど、好意に気づいていなさそうだけどね。

 恋愛よりも、興味あるのは音楽。
 憧れの須王さまの手ほどきを受けているんだから、余計。

 裕貴くんのことを考えて思わず笑みを浮かべていると、あたしのスマホが震えた。

「うわ、以心伝心! 裕貴くんからだ」

 裕貴くんからのLINEだった。

「……以心伝心ってなんだよ。おい、柚。裕貴と以心伝心って……」

「その言葉の通りでしょう? 須王、高校生相手に嫉妬は見苦しいわ」

 棗くんにぴしゃりと言われて、須王は口を噤んだようだ。

「ええと……」

『は~、くたくた!ね、柚は珈琲にミ
ルクを入れるっけ?それってさ、
カフェオレって言う?珈琲
を知らない奴らが、それは
カフェラテだって言い張って。よ
く考えてみると、違いがわからず。
にんきはどっちなの?

んー、暇だ、暇!い
しきしないようにし
ても、暇なのだ~!』

「あいつはなにを柚に言ってきてるんだ」

 須王がぶちぶちと独りごちている。

「きっと、暇で仕方がないんだよ。と……また来た。うお、全部平仮名ばかりだから読みにくいな。どれどれ……」

『ながくかかって、たいくつだー!
にくがたべたいよー!
かいてんずしでもいい~!
おなかがへってしにそう。お
かし、もってきてない
し。ひもじい、ひもじ
い~!』 

 ……空腹の訴えが、なにか切実だ。
 裕貴くん、成長盛りで食いしん坊だし。
/1002ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ