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エリュシオンでささやいて
第15章 Approaching Voice

「ふんばれ!」
「ひぃぃぃぃぃぃぃ!」

 須王が片手であたしの頭を胸に抱いた瞬間、車体が宙に浮いた。
 そのままタイヤが壁を掠った瞬間、須王が大きくハンドルを切る。
 するとタイヤは盛大な音を発しながら壁上で方向を変え、減速した。

 そして、がくんと車体が揺れると車が停まる。

「ふぅ、パンクして止まったか」
「……」
「柚、怪我はないか?」
「……」
「柚?」

 あたしは衝動的に須王のネクタイを引っ張った。
 そして須王の顔を引き寄せると、自分から須王に口づける。

 暖かい唇の感触――。

 歓喜したあたしは、泣きながら叫んだ。

「よかったー! 神様、願いを聞いてくれてありがとう!!」

 そしてぐすぐすと泣くあたしを胸に抱き、須王が頭を撫でてくれる。

「願いってどんな?」

 優しい声だ。

「須王と一緒に生きたい、須王を幸せにしたい……」
「……っ。柚のくせに、男前すぎ」

 額をでこぴんされた。

「ああ、この場でお前を抱いて、思いきり啼かせてぇ……」

 視界に入るのは――なぜか嬉しそうな須王と、赤いひと。
 そう、神様は赤いひとを消してくれてはいなかった。

「いい?」

 場にそぐわない須王の誘惑。

「のーさんきゅーです!!」

 あたしは顔を引き攣らせながら答えた。
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