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禁断背徳の鎖外伝・小指の選択
第2章 心の中の戸惑い
早乙女氏の方が、遠藤を抑えて…
俺は早乙女氏に一礼してから、美紀さんが居る寝室へと足を踏み入れた。
会った途端、美紀さんの驚きの大声…
これはかなり安定していると見て間違い無い。
とは言え、まだ安心は出来ないんだが…
「ほれ、手を出して」
「??」
不思議そうに手を出す美紀さんに、俺は恒例のポケットの中から、新薬を取り出し美紀さんの手に……
「凄いの持って来たね」
「・・・
ほら、俺の上司偉いから」
「聞いてないし・・・」
まあ‥言って無い‥言えなかったが本当のところだったが…
美紀さんが重要人物指定となった今、かなりの部分の情報公開が出来る‥それだけこの指定は重いし、立場が跳ね上がる。
「俺の?
大統領補佐官だけど??」
・・2度目の大声…
気持ちは分かる気持ちは…
そんなに上とは思っていなかったって事も……
そこは後々説明すれば良いし…
今は別の問題。
もしかしたらと用意した、これとは全く関係無い別の新薬…
まだ帰国前に、美紀さんに頼まれた物の最新薬。
「オリバーさん…」
「なんだぁ??」
「・・ありかとう」
「・・・
お‥‥おう・・・」
初めて聞いた…
美紀さんからの、ありかとうという言葉……
それも、穏やかそうに笑って、やさしそうに…
俺、言葉に詰まって‥少しだけ鼓動が早い‥‥だからあんな素な言葉が出たのか??
「・・・
本気で美紀さんの事心配した」
「オリバー‥さん」
美紀さんに何かあったら、そう思うだけで不安と心配だったんだ俺。
殺人ドラッグと言われてるのを打たれて、もし美紀さんがドラッグに耐え切れ無かったら…
もし、美紀さんを失ったら、俺は‥‥それが怖かった、どうしてか分からないけど怖かったんだ。
だからこんな無茶な事をした、怖いという気持ちが初めてで焦った。
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