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禁断背徳の鎖外伝・小指の選択
第2章 心の中の戸惑い



「‥‥分からないじゃ無くて普通だよオリバーさんは……」


普通?
俺が??


こんな‥人を殺すのすら躊躇わない俺が‥普通?


普通ってなんだ…
俺から見れば、美紀さんみたいな人が普通だと思っていたのに、その美紀さんから言われた普通・・・



「普通‥‥なのか?」


怖いと思う事が、人を失のが嫌と思う事が‥‥普通・・・



「普通だよ…
ハリスさんも、今のオリバーさんの方が良いって……」


「中佐が…
そうか……」


変わったとハリス中佐に言われたが、美紀さんの普通と同じ事なのか?


今の方が良い…
美紀さんが居て、気楽に話をして、ボディーガードでボディーガード以上の不思議な関係。


俺は‥‥美紀さんが居なくなるのは嫌だ…
また、前の俺に戻る‥そんな気がする。


命令に忠実な、政府の飼い犬に・・・


選択肢など無い、ガキの頃に政府に引き取られ、訓練と学習の毎日…


人を殺す事を教えられた…


潜入の為に、性格を偽る事を教えられた…


本当の俺は、どんな性格だったのかすら忘れた…
もうガキの頃の俺の性格なんて、思い出せない程に……


だが、束の間だけどペントハウスで、美紀さんや新島さんと話すのは好きだし‥楽しい。


多少口悪く話しても、美紀さんはそれに乗ってくれる…
そして、日本語の美紀さんは、意外に口が悪い事も分かった。


そんな些細な事が、今の俺には楽しく思える。



新島さんのスパルタ日本語講座だって、多少文句を言いながらも、何だかんだ言って楽しい…


あの正座というものはキツいけど、真剣に教えてくれようとする、美紀さんと新島さんが楽しくて面白い。


そう思うからなのか?


数ヶ月で、不自由が無い程に日本語が上達…
あれほど頭を抱えていた文字も、何とか読み書きくらいは出来る‥やっぱり楽しいから。


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