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禁断背徳の鎖外伝・小指の選択
第3章 心の中の葛藤



「・・・
話せる訳‥‥無いじゃない・・・」


あの理由…
紀永が、他の女性とキスしていたから‥なんて・・・


客観的に見て、父親が知らない女性とキスをしているところを見て、ショックを受けた娘‥‥で通らない事もないけど、あれまで動揺する?


父親より恋人…
そういう目でしか見れない、ぁたしの負い目があの一件を呼んだ。


だからこそ話せない…
オリバーさんは、仲の良い親子としか思ってないのは知ってるし、それが普通だって事も分かってる。



(・・それに・・・)


もう口には出さなくなったけど、オリバーさんと一線を越えそうになった事…
あれもぁたしが悪い。


オリバーさんは、ボディーガードとしてぁたしに付いているだけで…
それなのにぁたしは、心配するオリバーさんにあんな事を……


負い目があり過ぎて、オリバーさんに話す事が出来ないよぁたし。



(本当のところは‥どう思われたんだろう・・・)


今更聞けない…
次の日の朝、何も無かったように接して来たオリバーさん、まるで何も無かったと言われた‥そんな感じがした。


紀永と同じ、他の男性とのキス…
だからぁたしは、オリバーさんにどうしても話をす事が出来ないのかも知れない。



「どうして、学習能力無いかな?」


広々とした研究室で1人…
だから、ぁたしの心は堂々巡り、数少なくなった本を広げて見ても、考えるのはその事ばかり。



「駄目‥後ろ向きだぁ…」


前を向いてと思うけど、今回ばかりは、なかなかそうはいかない…
理由は‥卒業が近い帰国が近い、オリバーさんと本当にお別れが近いから。


多分、帰国したら二度とオリバーさんに会う事は出来ないと思う…
別の任務に付いたら、もう会う事は無い‥それが分かっているから心境複雑中。


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