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禁断背徳の鎖外伝・小指の選択
第4章 心の中の狭間
「米国は油物好きだよね…
私は苦労してるけど」
「普通だよなぁ…
フィッシュ&チップスなんか駄目だろ?」
「うん、ついでに量が‥ね」
「食べないもんな美紀さんは…」
美紀さんの食事量は驚く程少ない…
本人曰わく、日本人はこのくらいで適量だとか言っていたが……
「・・かなり食べれるようになったのに……」
「は?
まだ量が少なかったのか!?」
「いや‥その‥‥前はだけど・・
うん、前の話」
「・・・・・」
何か言葉を濁したような‥‥言いたくない‥そんな感じが見て取れた。
(・・考えてみれば…)
美紀さんは、日本に居た頃の話をあまりしない…
早乙女氏の娘なら、色々話題などありそうなのに、聞いたのは早乙女邸で家庭教師に付いて勉強したって事くらい。
個人的な話は殆ど無し…
ただ、初めの頃に‥‥
『・・・
私はお嬢さんじゃ無いです‥こんな真っ黒な私は、お嬢さんなんかじゃ‥無い……』
こう美紀さんは言い切った。
何かあっただろうは理解出来る…
そして、それが原因で心にトラウマを持つ事も……
(あの早乙女氏が、娘に性的暴行は考えにくい…
という事はその前、18才前後の話なのか?)
美紀さんが、早乙女に籍を移したのは20才、留学直前の出来事…
だが、18才の後半の頃には既に早乙女邸に居たらしい。
なら更に前は?
この辺りは、美紀さんから一度も話を聞いた事は無く、養女先の話もまるっきり話さない。
(あーー
確か‥倉原とか書いてあった)
俺は資料的に見ただけ…
倉原という家の養女だった、それも産まれて直ぐに養女に出されてる‥それに何か関係があるのか?
本当に美紀さんから、そういう話は無いんだ、それこそ頑なな程に・・
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