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禁断背徳の鎖外伝・小指の選択
第5章 心の中の焦り
こう‥警戒心丸出しというか、俺が美紀さんと会った後は、更に渋い顔をされたし…
(あのパーティーのエスコート役って話だった)
後々、美紀さんが一時帰国から戻って来てから聞いた話。
その遠藤は、美紀さんとは遠縁で早乙女氏の第1秘書…
エスコートって事は婚約者か、美紀さんの思い人かと思ったら、それは違った。
『それって根本的な勘違いだし、私の性格というか、Little Witchの事がバレない為の芝居だもん…
危機回避もあったんだけど、失敗しちゃったしね』
と、美紀さんの談・・
早乙女氏が見越して、あの遠藤という男を付けたのが正解らしい…
立場上は、婚姻出来る中で一番最適な人物だった‥‥それだけだよと美紀さんは笑っていたっけ。
(・・本当に、それだけなんか??)
美紀さんの考えはこうだが、早乙女氏の考えは?
あの人の腹の内は読みにくい、いやいや読めるもんじゃ無い…
怒らせたらヤバい人物、それが早乙女氏。
客船内の首謀者達を、あっさり外戚だから構わんと米国に引き渡すし…
早乙女氏だって、首謀者達がどんな扱いを受けるか予想は付いている筈。
それを理解した上で簡単に引き渡した、米国との取引材料の為に…
相変わらず、早乙女氏のやり方は怖いものがある‥更に言えば、引き渡しの件は美紀さんには教えて無いらしい。
「・・・
オリバーさん‥」
「・・へ?」
何か俺の顔を見て、怪訝な表情‥‥だよな?
「考え事をしながら食べてるから、口の回りケチャップだらけ‥‥‥」
「いっ!?」
ヤバっ俺とした事が!
しかも考え事ってバレてるし…
だから俺、そこまで分かりやすかったか?
「・・・すまん‥」
とりあえず口の回りは拭いたけどさ、最近俺‥表情出過ぎだ・・・
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