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禁断背徳の鎖外伝・小指の選択
第5章 心の中の焦り
「本音を言えば、ニューヨークのセントラルパークとかが一番良いんだが…」
「そう?
此処も綺麗だと思う…
水際って良いよね、それに緑も多いし、リラックスするんだったら最適」
「そうか…
美紀さんが喜んでくれるんなら、それで良い俺は……」
連れて来て正解だったか?
美紀さんの嬉しそうな顔を見ていたら、そう思っちまう…
やっぱり美紀さんは笑顔が一番良い。
「あっ‥鳥・・・」
「どこだぁ??」
「あっち、森の方…」
指を指されても、少々見えにくい…
こういう時はあれだ、ポケットの中の小物類!
「んと・・・
おぅ、これこれ!」
取り出したのは、小型の望遠鏡…
半分仕事用だが、こうして遊びにも使う俺の常備品。
「どれどれ…
あー確かに居るなぁ……」
「ねっ、少し変わった色で可愛いよね」
「よく見付けたもんだ…
あまり見ない鳥だよな?」
「私は初めてかな?
屋敷の木々に鳥は来るけど、ああいう色は見た事無いもん」
青と黄色の混じり…
俺だって、こんな鳥は見た事が無い、放されたかなんかしたのか?
「・・この辺は緑が多いから、飼い切れなくて放して行く連中も多いんだ…
多分‥そんな鳥だろう、色的に南国の鳥っぽい」
「放され・・
1人ぽっち、少し可哀想だね…
鳥でも人でも1人は辛いよ・・」
「・・・・・」
まるで1人を知っているような言い方…
時々あるんだ、こういう時の美紀さん。
心寂しそうに何処か遠くを眺めて、そして一番気になるのは、その時の美紀さんの瞳は‥‥怖い程冷たい。
あれは1人を‥人を信じない瞳‥1人で良いと他人を見る冷たい瞳…
何故美紀さんは、こんな瞳をするのだろう?
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