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禁断背徳の鎖外伝・小指の選択
第5章 心の中の焦り
美紀さんの周りは暖かい…
早乙女氏を始め、皆美紀さんに甘い感じ…
あの遠藤も、俺が美紀さんに近寄った故の不信感‥それなのに、どうして・・・
「あっ!
飛んで行っちゃった・・・」
「鳥だからな、何時かは飛ぶさ…」
「・・1人で何処に行くのかな?
仲間‥出来れば良いね、みんな一緒が一番楽しいし…」
「ああして居るんだ、仲間が居るさ…
1人なら‥‥とっくに居なくなってる」
「・・そうだね…
オリバーさん良い事言う」
「少しは見直したか?」
「ぷっ…
少しだけね」
少しかよ…
・・それでも良いが…
冷たい顔・穏やかな顔・優しい顔・・
プライベートの美紀さんは、俺の予想を超える表情を見せる…
歳相応と言っちまえばそれまでなんだが、唯一分からない冷たい表情。
『私はお嬢様なんかじゃない・・・』
多分‥いや絶対、この言葉に秘められていたもの…
あの初契約の時以来、美紀さんがこの話に触れる事は無い‥間違い無く避けられてるのは理解してるが……
(・・どうして知りたいと思うんだろうな・・・)
今まで対象者のプライベートの奥底まで、知りたいとは思わなかった…
精々行動把握の為に、プライベート部分を探るだけ。
・・だと言うのに、美紀さんだけは全てを知りたいと思ってしまう。
(やっぱり、愛しいという心のせいなんか?)
愛しいと思うから色々知りたい‥こういう原理で良いのか?
俺自身、いまいち理解してない部分…
知れば知る程、相手に感情移入してしまう、だからずっと誰に対しても一定距離を取っていたというのに、今回だけ‥美紀さんだけは、逆に俺の方が近付きたがってる。
はっきり言えば、美紀さんは答えをくれるのだろうか?
俺だって、そんな事は分からない。
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