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禁断背徳の鎖外伝・73億分の奇跡
第10章 拡大と安定
「皇の副社長という立場は、外戚から直系の義父になる前提の話だった‥
だが、会長が全てをもみ消して、もう‥10年?11年か‥‥
いい加減理由も無くなっているのに等しい」
「だとしたら、私という餌で落としてしまえば良い事‥
もう縁は無い、いい加減私も皇に遠慮するのは止めようと思う‥
どちらも、1人の命という犠牲を払うんだ、遠慮する気が無くなったとも言うが‥」
向こうが美里なら、こちらは父洸紀‥
それでお互いイーブン、だとしたら、利はこちら側にある。
微妙な事は影に隠し、これで堂々と皇と渡り合える‥
何を言おうと、今回ばかりは負ける気は無い。
「そうだな‥命の犠牲は重い‥
そして、何故お前ばかりが背負うんだろうな‥そう言う俺も亡くしたが‥」
「・・・
早乙女という血の呪縛でしょう‥
先天性心臓疾患、数名に1人はこの病気を抱えて産まれて来る」
「幸いな事に、俺やお前は無かったが、等身ギリギリの近親婚が続く限り、この問題は無くならない‥
本当に血の呪縛だ」
「私に出なかったのが不思議なくらい、母も同じ先天性心臓疾患だった‥
どうやら、色々背負うタイプみたいですよ私は、それに負ける気は無いが、居なくなるのは少し‥‥辛い」
16才までに、母・美里・娘‥そして今また父‥
家族というものを、全て失う事になる。
「確かに辛いだろうさ、お前は我慢してる‥
辛くて普通だ、お前に普通の感覚があると分かっただけ、俺は安心したかもな」
「私だって人間だよ朔夜叔父」
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