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禁断背徳の鎖外伝・73億分の奇跡
第10章 拡大と安定
「・・・はい」
『紀永、皇が病院に向かった』
「分かりました、それ相応に対応します‥」
『良いんだな?』
「勿論、その為に私が此処に居る」
『そうか‥
じゃ近日中に、貫禄十分で本社に来い』
「掴む物を掴んだら、嫌と言われても行きます、その時は叔父でも容赦はしません」
『全く‥お前を本気にさせると怖い‥
まっ、心には留めて置く』
「ええ、では準備がありますので‥‥」
電話を切って、急いで着替え始める‥
偽りの私に‥‥此処まで来たら腹を括ろう、これが私だと・・・
宿泊施設から、ICU前の待合室へ‥
勿論、髪を上げたスーツ姿で壁に寄り掛かって‥‥
(・・・
廊下向こうが騒がしくなって来たな‥)
どうやら皇が到着したようだ、秘書か何かを連れているのだろう‥
1人で来れもしないのか皇は‥そこまで落ちたか?
「・・・
久しい顔だ・・・」
「確かに・・
私の方が、なかなか本社に行かないのでね・・・」
こう話をするのは何年振りか・・・
「社長の様態は?」
「ICU内での絶対安静・・
本社内で倒れた‥そう話を聞いた」
「早いな‥
確かに本社内‥俺のところに来ていた」
「ほぅ‥
用件は?」
「言わねばならんか?」
「いや・・
おおよその予測は付いてる、確認の為に聞いたまで、答える義務は無い」
微妙な駆け引き‥
皇は高圧的だが口は上手い。
「そうか‥
それで社長に会えるのか?」
「身内のみ‥
皇副社長‥例え貴方でも中には入れない」
「・・・・・」
正式な拒絶‥
早乙女外戚と知りながら、敢えて身内のみと言った。
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