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禁断背徳の鎖外伝・73億分の奇跡
第10章 拡大と安定



「しかし会長!?」


「・・・・・」


慌てる田野倉と、押し黙る皇‥
会長が口を出した時点で、皇は諦めたのか?



「皇、田野倉‥
此処まで証拠が出揃っているなら、今更言い逃れは出来まい‥
処罰として、田野倉は営業部長に格下げ、皇は専務に格下げだ‥
もう一度やり直せ‥‥」


「なっ・・・」


「・・・・・」


皇の専務はともかく、田野倉の営業部長降格は、実質上の重役からの解任を意味する。


流石に此処まで重い処罰を下すとは、会長は何を考えている?



「IT企業がITを疎かにした罰だ、不服があるのか?
皇‥お前も荷担したのだ、重役に残れるだけマシだと思え‥‥決定に異論がある者は?」


「「「・・・・・」」」


一応ワンマン経営だ、会長に逆らえる者は無く、重役全てが従うしか道は無い。


反抗したのは田野倉達‥
そこに同情するつもりは一切ありはしない。



「会長1つ‥‥」


口を開いたのは、専務‥いや、朔夜叔父だ・・



「後任人事は?」


「お前は副社長、皇と交代だ‥
そして、現社長の復帰の見込みは・・無い‥
そこで、この改革を通す為、無役の取締役紀永を社長に据える‥‥IT企業として好きなだけ本社系列改革をやって見ろ、今ある子会社半分を買収したお前だ、能力ならば十分ある」


「・・・・・」


まさか、そんな手で出て来るとは‥
私が本社社長職・・



「常務に関しては、こちらから追々適任者を選ぶ‥異存は無いな?」


私ですら何も言えない会長の決断‥
周りは更に驚きを隠せないで居る。


当たり前だ、本社より外の私が、いきなり社長就任‥それもこんな若造がと思われても仕方無い事。


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