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禁断背徳の鎖外伝・73億分の奇跡
第10章 拡大と安定



「それが私のやり方だ」


「・・話をしても無駄なようだ‥
サーバー強化は1日2日で出来る物では無い‥
私の個人オフィスから手配する‥それと私は病院に戻るっ!」


会長と話をしていても埒があかない‥
それなら、サッサと病院に戻りたい。


私の方が動く、本社から出て病院に戻る為に‥‥



「・・・
洸紀に、約束は守った‥そう伝えろ・・」


「・・・・・」


約束??


一体、父と祖父の間に、本当に何があったのだろうか??


どちらも語る気は無し‥
だとすれば、私が知る事は無いのだろう。


そう捨て置き、私は会長の側を通り抜け、病院に戻る為に本社を後にした・・・・・




葉山を置いて、病院に戻って直ぐ父の病室へと向かう。



(眠っている・・・)


その顔は穏やか‥
先ほどの事が、まるで嘘のように‥‥


暫く目を覚まさないのだろう‥
ベッドの向こうの窓から、ただ何も無い景色を眺めて見る。



「・・・・・」


とうとう‥後戻り出来ない1歩を、踏み出してしまった。


賭けには勝ったが、後味の悪い勝ち方‥
全面的に私の意見は通ったが、会長の鶴の一言‥言ってしまえば、それに限る。



(どういうつもりなんだ会長は・・・)


全ての計画が通った‥
これで私の思惑通りにはなるだろう。


だが、会長の本意は?
そこが分からない、何故全面的に認めたのか、会長の腹の内には何があるんだ??




「・・・
驚いたね・・・会長が居るように見えた・・・」


「私がですか?
まだそこまで年は取っていませんよ」


「・・・雰囲気が・・・似ているのかな?
私や朔夜には・・・無いものだね・・・」


「まさか・・・」


窓から離れ、ベッドの側にある椅子に座った。


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