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禁断背徳の鎖外伝・73億分の奇跡
第10章 拡大と安定
完全無視をして、父が安直されている祭壇に向かおうとしたら・・・
「・・・紀永叔父‥‥」
急に後ろから声が‥
私を紀永叔父と呼ぶのは1人しか居ない・・
「伊織かい、ひさしぶりだ‥‥」
叔母の孫伊織‥
まだ私が本宅に居た頃から知っている、私に取れば可愛い甥っ子のようなもの。
正確に言えば、もう少し遠くなるのだが‥
父達の世代の下で子供が居るのは、恵美里叔母の息子考一郎しか居らず、自然に伊織に紀永叔父と呼ばせるようにはなっていた。
本宅を出でからも、伊織は何度か私のマンションを訪ねて来た事がある。
あまり多くは会えないが、私はこの早乙女らしからぬ、真面目な伊織が気に入っていて‥
マンションに来た時は喜んで中に入れ、束の間の会話くらいはしていた・・
「本社社長に就任したそうですね」
「話が早いね‥」
「祖母から‥
少しだけ耳には‥‥」
「ああ・・
恵美里叔母は地獄耳だからね」
何処でどう仕入れるのか分からないが、恵美里叔母の情報網は侮れない。
下手すると、私ですら知らない早乙女の情報を知っている事がある‥
そういう事情で、時々恵美里叔母と連絡は取っていたんだが・・
「だけど本社社長は凄いと俺は思います、やっぱり紀永叔父だと‥」
「さあ‥
ただ後を継いだだけとも言うがね‥‥」
「実力が無ければ、後は継げません‥違いますか紀永叔父?」
「・・・
随分と賢くなったね伊織は‥
そうか‥今はもう高校生‥‥」
私より10才年下‥
伊織ももう高校生か、年数は早いものだ。
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