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禁断背徳の鎖外伝・73億分の奇跡
第12章 虚偽と真実



私の自室を出て、隣の父の自室へ‥
此処に入ったのは子供の頃が最後、普通はリビングか仕事用の執務室だった。



「父の部屋もそのまま‥」


昔私が見たまま‥
私と同じく、父も物は多く置かない方だった、それにしても完全に現状維持しているとは‥‥



(私の自室はともかく、父の方は会長が??)


この様子だと、2階部分全て父が居た頃のまま‥
そんな命令を出来るのは・・・・・会長1人しか居ない・・・



(何故・・と考えても無駄なんだろう)


反発しているだけに、私では会長の意図は読めない‥
無駄な考えと諦め、父が言ったいた絵を探して見る事に‥‥



「・・・
見た感じは、そんな雰囲気では無いのだが‥」


手前のプライベート空間には、それらしき物は見当たらない‥と言う事はベッドルーム。



ガチャっとベッドルームの扉を開けて、なるほど納得した・・・



「まさか・・あの絵だったとは・・・」


ベッドルームに飾られていた絵は、私が入選したただ1枚の・・・


まさか、これを残していたとは思わなかった‥
私自身はこれも処分した‥そう思っていたから。



「どうやって‥抜いたのだろうね‥‥」


確かに処分の方で纏めてあった筈‥
それなのに残っていた、この風景画。



「不思議だね‥‥」


父のベッドに少しだけ座りながら、ベッドから丁度良く見えるように飾られている、絵を眺めてしまう。



「・・私が描いた物の筈なのに、全く別の作品に見える・・・」


私は‥それ程までに、絵を描く事から離れていた‥もう描く事は無いと・・・



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