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禁断背徳の鎖外伝・73億分の奇跡
第12章 虚偽と真実
「既に実力も実績もある、周りも文句は言わん‥」
「まだ年若いと言いそうに思いますがね‥
後継者候補は私の他にも居る、それも本社内に‥‥」
「皇に早乙女は無理だろう、荷が重過ぎる‥
私は紀永お前にと言っている、その方向で今手配をさせている最中‥‥
まあ始めから、そうなるように遺言書くらいは作っておったがな」
「始めから?」
ますます理解が出来ない、何故始めから私にという考えが出るんだ?
「・・・
もう12年か?
お前に、のし上がれと言って10年‥
元々会長になる器はあった、だが積極的に関わる気は無かったな?」
「何も無かったら、関わらなかったでしょう‥‥」
「そんなお前を見越して、洸紀の反対を押し切り、紀永‥お前の娘の認知を拒否した‥
お前が本気になる為に‥少々良心は痛んだがな」
「・・・・・っ!」
始めから‥始めから‥会長は仕組んだのか‥
私を本気にさせる為に‥‥
「お前は、娘を何処に預けたかすら話さなかった‥
変な人間に預けたのではないか?
一応は心配した‥取り越し苦労だったが‥
しかるべきの場所に預けていた、それでこの1件は黙っていようと思った‥‥私のベッドの側の棚の一番上・・・」
「???」
言われた通りに、棚の一番上を見てみると、かなり古ぼけた封書が1つ置いてある。
会長を見れば、開けて構わないという顔をしているので、封書を開けて中身を確認してみれば・・・
「・・・
これは・・・知って‥いた・・・」
「・・倉原貢・・
現在クラスター本社、システム課エンジニア部課長‥
そして、紀永‥お前が一番最初に入社した子会社の上司だった‥‥
性格は真面目な職人気質、後輩の面倒見も良く、社内で倉原貢を悪く言う者は、殆どいない」
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