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禁断背徳の鎖外伝・73億分の奇跡
第12章 虚偽と真実



生来怒るとは無縁に近い私‥これは性格なのだろう‥
仕事上は怒りを感じる事はあれど、個人的になれば怒る事など数えた程しか無い。


その私が一番怒ったのが、娘の認知問題‥
上手く祖父と父に乗せられた、特に父は私がどうすれば怒るか、良く知っていたと思う。



「・・・
・・私が会長‥ね‥
クラスターグループを、根底からひっくり返すかも知れませんよ?」


「それがお前の判断ならそうすれば良い‥
お前の性格だ、ひっくり返したところで、状態は好転に向かうのだろう‥その程度は理解出来る‥‥
これでもお前の祖父だ、紀永の性格くらい良く分かっている」


「・・・
全く・・会長と父がグルなら、私が適う筈が無い・・・素直に負けを認めますよ・・」


「いや、お前は勝ったのだ、私や洸紀が出したこの難問に、見事答えを出した‥
紀永‥会長になれ、私が後どれくらい生きられるか分からんが‥‥
紀永が会長になるのを妨げる可能性がある者は、私がことごとく排除しよう‥私や洸紀は、始めから紀永の見方だった」


「見方・・ですか・・
随分手厳しい見方だ‥
会長‥考えます、ただし私のやりたいようにやる、この意志は曲げるつもりはありません」


「曲げるな‥それが紀永だ‥自分の意志を貫けば、私以上に良い会長になるだろう‥
ずっと期待していた、洸紀でも朔夜でも無く紀永を‥‥
これで私も、少しは肩の荷が降りる」


「・・会長・・」


「会長か‥
たまには、昔呼ばれたように呼ばれたいものだ‥
もう聞けないとは思っていたが・・・」


「・・はぁ‥‥
気は済みましたか?
・・・烈お祖父様・・・」


「・・・ああ・・・
全てを紀永に‥それが私と洸紀の意志‥
誰にも邪魔はさせんから安心しろ‥
爺様は孫には弱いものだ、私も例外では無かったという事だな・・」


「お祖父様・・・」


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