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禁断背徳の鎖外伝・73億分の奇跡
第15章 栄光と影



「・・・
何とか形にはなったね‥
2階の半分近くを、サーバーに取られる事にはなったが、広い屋敷‥個人スペースに困る事も無い」


「パーティションで仕切るという手もあったのでは会長?」


「やはり個人スペースは重要‥
個々に仕事部屋を持たせた方が、作業効率はあがる‥社長時代の私のようにね‥違うかい葉山?」


2階の一番奥は私の執務室、隣に葉山の仕事部屋‥
後はズラッと並んだ扉、1人1人個人スペース用の部屋を作り、数ヶ所共有スペースになる、会議室的に集まれる場所を作って、残りは応接室2つとサーバー部屋が占める。


個人部屋は30‥
これだけの人数を確保すれば、業務は十分こなせる‥そう判断の上の間取りだ。



「ですが良かったのですか?
2階は‥会長の思い入れが‥」


「父の部屋の事かい?
‥‥何時までも感傷に浸っていても仕方無い‥
必要な物は整理したんだ、後の未練は‥無いよ」


3階も同じ、何時までも祖父に拘る気は無い、だから3階へと居住を移した。



「それと1階部分だが、中央と左半分はそのまま‥
右‥別棟と繋がっている方は、やはり少し改装しようか‥‥」


「どのように?」


「居住人員が多くなるからね‥
食堂と合わせて調理場、後従業員のフリースペースにでもすれば良い、共有部分が少ないのも、少々繋がりが無くなり困る」


秘書達の他に、住み込みのハウスキーパー、調理師‥合わせると50名程になる予定‥
それなのに、顔も合わせる事も無く仕事だと、必ず軋みが生じる。


それを避ける為に、1階の半分を従業員達の共有空間にしてしまえば良い事。


この屋敷は中央から左右に広がる、昔ながらの作り‥
それを有効に使わない手はない。


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