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禁断背徳の鎖外伝・73億分の奇跡
第15章 栄光と影



「此処の住人は私1人なのだし、スペースだけは無駄にある‥
古い事に拘る必要も、早乙女本宅だからと遠慮する気も無い‥継いだのは私なのだから、私の好きなようにするよ・・」


「分かりました‥
もう一度、建築士と相談します」


「ああ‥‥」


好きに‥‥


父と祖父の言葉‥‥


だから私は私の好きにやる、誰にも邪魔はさせない・・



細かい改装まで加えると、私が会長就任から1年以上が経ち‥
漸く本社も、本宅‥今は早乙女邸と名を変えた屋敷の改装も、全てが終わった。


その1年で、本社系列全ての業務の見直し、社員待遇の均一化‥
全社員を社員証というICカード管理に変え、セキュリティーレベルを高くし、サーバーアクセス権の明確化、新重役陣の取り決めなど‥‥


会長業務に必要な事は殆ど整え、クラスター社はブラック企業というレッテルから、優良企業へと劇的な変貌を遂げた。


ただ1つ、私の実像は重役陣以外には闇の中‥
代変わりで大成功をした新会長、そんな噂は飛び交い合っているらしいが、私が本社に顔を出す事は殆ど無い。


重役会議は回線か画像‥
外の直接取引は、早乙女邸の秘書達‥
本社には、私の耳となる子飼いを置き目を光らせ、秘書達と共に、不要人材と確定すれば、子会社か他業務移動。


こんな、完全管理体制を作り上げたものだから、大成功した新会長の他に、目を付けられればあの世行きなんて言う、憶測的噂まで‥‥


まあ‥私にすれば確信犯、祖父の頃のイメージも残り、会長=恐怖の対象‥
これで、すっかり固定された‥人を寄せ付けぬ、謎の早乙女会長として‥‥



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