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禁断背徳の鎖外伝・73億分の奇跡
第15章 栄光と影
会長になったからといって、私のパーティースタイルはさして変わらず‥
相変わらず、挨拶さえ済ませてしまえば壁の花、いちいち顔を覚えさせる気も無い。
「これはこれは早乙女会長‥
わざわざ起こし頂き、本当に光栄の極み‥‥」
「たかが私如き‥
協力関係にある、そちらの顔も立てなければならないだろう」
「お気遣い傷み入ります早乙女会長‥」
「ああ‥‥」
上辺だけの会話‥
パーティーの席なんて、大概はこんなもの、本格的に密談したければ別室‥これが、この世界の一般的なルール。
一通り挨拶を済ませ、予定通りに壁際で様子を見る事に‥
(しかし、まだ13才だったとは‥)
葉山も情報を掴み切れなかったのだろう‥
ご令嬢はまだ13才の子供、幾らなんでもこれは範疇外、私に取れば有りがたい事だが‥‥
(主催の奥方と、招待客の中の同伴の奥方は関係無し‥
見知っている顔は、全て挨拶を済ませてしまい、後はこうして居れば済む事‥‥)
敢えて主催側には、余計な事を言わないようにと釘を刺している‥
この20名の中で、本当に私の事を知っているのは5名、全員に手は打った。
壁際で、スタッフから直接貰ったワインに口を付けながら、ただ会場全体の流れを見ていたら‥‥
「・・何故、お1人なのかしら?」
「・・・
話す相手も居なくてね」
私の前に来たのは、件の女性社長‥
さて、知って来たのか、知らずに来たのか‥‥
こういう場での女性には、相変わらず興味が一切無い‥
いや、あの薬の一件以来、嫌悪感すら感じる事もある。
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