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禁断背徳の鎖外伝・73億分の奇跡
第15章 栄光と影



「相談とは何でしょう恵美里叔母様?」


「伊織さんの事なの‥」


「伊織??」


差し出された紅茶に手を掛けながら、何故伊織の事で私に相談なんだと思う。



「短大卒業したでしょう?
伊織さんの希望は、紀永さんの元で働く事‥」


「私の?
クラスター本社に??」


「いえ、直接紀永さんによ‥
その為に、秘書資格も取ったわ」


「早乙女邸の方‥」


「でもね、考一郎さんの方は渋い顔‥
ずっと、早乙女と離れてやって来た考一郎さんですもの、伊織さんが早乙女筋だと、あらか様に出るのは嫌みたい」


「伊織と考一郎の意見は違うと‥
恵美里叔母様の意見は?」


遠藤家は、本当に早乙女とは無縁に等しい‥
立場上早乙女筋だが、考一郎は外交官‥全く早乙女とは関係無い仕事。


私とて何年会っていないのやら‥



「私?
そうね、伊織さんの意見は尊重してあげたいわ‥
あまり我が儘を言わない伊織さんが、無い事に意地を張っているし‥でも‥‥」


「でも?」


「早乙女としてでは無く、遠藤伊織として‥
それも紀永さんの秘書が一番理想的かしら?」


「早乙女筋を隠して、ただの遠藤伊織として、私の秘書として置けと言いたい訳ですか‥」


「ええ、考一郎さんの顔を立てる為にも、早乙女は一切伏せて欲しいの‥
その前に、伊織さん本人の実力かしら?」


「そうなりますね‥
信用性としては、全く問題無いですが、果たして秘書は?
私は伊織が、どの程度出来るかは知らない」


「考一郎さんと同じく、情報処理能力‥
それが伊織さんの一番得意なもの、とはいえ私程繋がりは無いわよ?」



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