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禁断背徳の鎖外伝・73億分の奇跡
第16章 真実と偽り
あの後、探していた絵は、私が座り込んでいた真後ろにあって、遠藤と共に苦笑い‥
それはそれで良かったと思えるのだから、不思議なものだ。
それから1ヶ月‥
漸く店舗部品の工事も終わり、普通と見せ掛ける為の家具も搬入。
ただし、直接早乙女邸と繋がっている為、セキュリティーだけは異常な程高く、そして複雑に設置。
こうして、私の本当のプライベート『アトリエ杉田』は出来上がった・・
「此処で‥‥良いか‥」
見付けた、あの絵‥
中学時代に入選した風景画を、店舗部分の壁に掛け、その他の残されていた絵は、少しだけあるショーウィンドーの中。
絵的には、日が当たる場所は最適とは言えないが、なんとなく私がこうしたかった。
そして‥久しぶりに見る画材道具一式‥
今の私は、本当に昔のように描けるのか??
「・・・
いや、今の私なりに‥なのだろう・・」
16年前と今では、物の見方が違う価値観が違う‥
それだけ経験と年を重ねて来たのだ、あの頃のような物は描けない。
「・・・・・」
ふと思い出し、住居部分になる半2階に移動し、私の私物を探して見る事に‥‥
「・・・・・・あった‥」
唯一止めなかった写真‥
ファイルリングはしていないが、子会社時代に世界中を飛び回っていた頃、気紛れで撮した写真も多々。
この中から、気になる風景でもあれば‥‥
「・・・
今見ると、凄い枚数を撮っていたものだ‥」
1ヶ所数枚でも、行っていた回数はかなり多い‥
現像する度、ただしまい込んでいただけだったので、こんな枚数になっているとは、私でも思っていなかった。
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